僕(ヒロ)はもともと自然が大好きで、森林セラピーに参加したりスローフードのレストランを探して食べに行ったり自分へのご褒美でビオホテルに泊まったり、でも、仕事も生活も大阪(生まれは奈良です)で忙しく、いつか自然がいっぱいの田舎に住みたいと思っていました。
でも、地方に行けば行くほど都会と比べて僕らのようなゲイカップルに対して理解が少ないのではないか、LGBTに対して偏見があるのではないかと勝手に思い込んでなかなか一歩を踏み出せないでいました。
そんな気持ちをパートナー(かつのり君)に打ち明け相談すると思い切って田舎に移住してみよっかという話になりました。
突然田舎に移住することになったので、どうやったら住めるのか、それには何が必要かなど全く何も分からずイメージすら湧かなかった状態でした。
ただネット上には凄まじい量の情報が溢れており、人口減少や過疎化、高齢化に悩む地方自治体は数多くあり、積極的に移住者を受け入れようとする体制があるので、資料や情報を収集するのは容易です。
また、東京や大阪などでは情報センターがあり、説明会なども頻繁に開催されており、様々な最新情報を入手することができます。
移住を決心して大阪ふるさと情報センターに相談に行った時の事をYouTubeにしました。
*音声が小さいので音量を大きくして聞いて下さい。
説明会に参加したり、地元の移住担当者と話をしたりして、いろんな地域の情報を得られたら、候補地を絞っていきましょう。
田舎に移住する場合、全く何のつてもないので、移住課担当者の協力が不可欠です。
基本的にはどこの担当者も親切で積極的に何でも相談に乗ってくれます。
僕らが移住先に決定したのは伊賀市ですが、伊賀市の担当者は全面的に協力してくれて、移住に対しての不安や疑問点など全てに対して、調べて答えていただけました。
やはり親身に協力していただけるのはとっても心強いですし、僕らの場合はそれが一番の移住先の決め手になりました。
移住先を絞っていった過程をYouTubeにしました。
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移住先を伊賀に決めた経緯をYouTubeにしました。
移住地域を決める前に、補助金が出るかどうかも調べておきましょう。特に、資金に十分な余裕がない場合は補助金があるとないのとでは全然違ってきます。
空家の購入、リフォーム、廃品処理費、引越しの費用など結構お金がかかります。補助金を受けることができれば本当に助かります。
あと、補助金が出る場合も、先着何名までなどの人数制限、補助金受付期間など、また、耐震基準を満たしているかなど、各自治体それぞれ制限を設定している場合があるので要注意です。
補助金をあてにして移住しても、申請期限が過ぎていた場合、また既に申請者多数で締め切られていたなど元も子もないですね。
伊賀市の場合は先着順だったので(市の予算が決まっているそうです)、受付開始日は早朝から並びました。
せっかく早く並んで申請しても、提出書類に不備があったらやり直しなので、必要書類や条件など事前にしっかり担当部署に確認しておきましょう。
僕らが申請した補助金についてYouTubeにしました。
田舎に移住する場合、空家を購入するのが一般的です。
空き家バンクを利用する、地元の不動産屋と相談するなど。
僕らの場合は伊賀市はまだ空き家バンクがスタートしていなかった(今はスタートしました)、また地元の不動産屋は比較的高額だったため、農協の不動産部門に相談して、物件を紹介していただきました。
地元ではまだ僕らの信用は全くないので、移住課の担当の方に紹介していただきました。
田舎に行けば空家はいっぱいありますが、地元の人たちは見ず知らずの人には家を貸したくない、売りたくないというケースが多々あります。
また、売っていただく場合も、本当にそこが居住可能かどうかもしっかり確認しましょう。何年もの間全く手入れされていない住居の場合、雨漏りや水漏れがあったり、また、家がかなり傷んでいるかもしれません。
修繕の必要がある場合、お金もかかるし、移住の日程も遅れるので要注意です。
僕らの古民家探しの様子をYouTubeにしました。
僕らが購入した家の値段も紹介します。
初めて情報センターに行って、ある地域の担当者にお話を聞いた際、移住がそんな簡単な話ではないんだとがっかりしてすごく不安な気持ちになりました。
その担当者に言われてショックだったのは
①下水が通っていないのがほとんどである。トイレも水洗ではない。
②地域の人との人間関係が重要である。一旦移住したら、なかなか出られない。
(村から出て行くと、村の人たちの落胆がすごいそうです)
③仕事が簡単に見つからない。
あと、すぐにでも移住しようと思っていたのですが、ほとんどの人はじっくり計画を立てて移住しているそうでした。
落胆していた自分とは対照的に、かつのり君はやる気満々で、その説明でより強く決心したとのことで、その次の日から精力的にいろんな移住課に連絡して情報を収集してくれました。
たくさんあった候補地から伊賀市を選んだ理由は
①移住担当者の方々が極めて協力的で安心できた。
*何でも質問でき解決に協力して下さいました。
*僕らがゲイカップルとカミングアウトすると大歓迎ですと言ってくれた。
②伊賀市にパートナーシップ制度があった。
③僕らが住んでいた大阪から比較的近い。
(実家からそれほど遠くない)
④交通の便が他の地域と比べて良い。
(JR、近鉄、伊賀鉄道、バスが運行されている)
⑤補助金制度があった。
⑥内陸地のため、津波の心配がない。
また今の家を購入した理由は
①値段が安い。
②下水が通っていて、トイレが水洗である。
③大きな庭がある。
④将来畑や田んぼを購入できそうである。
⑤すぐにでも移住できる。
僕らが田舎に移住したいと思って計画し始めたのが4月中旬で、伊賀市に引越ししたのが8月下旬です。
わずか4か月余りで引越しにこぎつけられたのはやはり移住課の協力があったからだと思います。
ちなみに、伊賀市はそれほど田舎ではなく、程よい地方で、自然に囲まれていますがあまり不便でもないんです。
この4か月間で最も大変だったのが、仕事の退職手続きです。退職を申し出た際、激しく引き止められ考え直すように強く言われました。また、同意していただいた後も引き継ぎが大変で、退職までの2か月余りは毎日遅くまで仕事で、週末も職場に行って引き継ぎ資料を作成していました。
その為、移住の活動がほとんどできず、かつのり君に任せっきりでした。